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2016年4月号 | 創明館便り

高校で学習する数学の単元に「ベクトル」というものがあります。
私が現役高校生の時、その最初の授業で抱いた違和感を今でも思い出します。
「いったい、これは数学の授業なのか?理科の授業では?」などと思いつつ、
授業を受けていても、頭の中は「???」。
今にして振り返り、当時の自分は受験期を含めても
「ベクトルの面白さ」を知らずに過ぎ去った、と回顧します。
図形の難問を「ベクトルという道具」を利用して解いてしまうことができる「面白さ」を
感じることができたのは塾で教えるようになってからです。

 「ベクトル」とは、「大きい小さい、多い少ない」と比較できる
「大きさ(数量)」のみならず「方向」をもった量です。
身近な例は「力」です。
自分の体に何らかの「力」が加わった時、
見ることができない「力」であっても、その大きさは感じます。
と同時にその力の向きも感じます。
ということは「力を表現するには大きさとその方向が必要」ということになります。
そんな大きさと向きをもったベクトルというものを図形の問題に利用できるということです。

「ベクトル」の勉強の面白さはその後半にあります。
最初は無味に感じられる「ベクトル」もその後半「にじみ出る味」が出てきます。
そこまでは辛抱して勉強しましょう。
これは多くの事に通じることかと思います。

 さて、この「ベクトル」、日常的に使われることがあります。
そこでは、ベクトルの持つ大きさではなく「向き」に重きを置かれます。
「方向性に重きを置く」ということです。
私たちは日々の生活の中で、多くの選択を行っています。
この選択でさえ一つのベクトルと言えますし、
時に人生の岐路とも言える場面では、大きな生きていくベクトルを考え、判断、選択します。
こんな時「向きをしっかり定めていく」ことが大切です。
向きが違っていれば、どんなに「速く」「力強く」進んでいっても徒労に終わります。
徒労に終わるだけなら良し、といえるかもしれません。
大きな後悔に陥る事にもなりえます。

 「山で道に迷ったら登り返して尾根筋に戻る」これが鉄則です。
そして地図とコンパスでしっかり進路を確認です。
安易に谷に下ると遭難の可能性が高まります。
山中でのベクトル探しは恐怖と直面しながらの迅速な判断が求められます。
一方、人生のベクトル探しは時間をかけ、落ち着いた心で行うことが大切です。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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