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2018年2月号 | 創明館便り

「医者になる」そのためには「大学の医学部に進学する」ということが「必要」だ。
これを「必要条件」という。
「大学の医学部に進学する」は「医者になる」ことを保証はしない。
これを「十分条件でない」という。
高校の数学で学習する「必要条件・十分条件」である。
「数学用語を使わなくてもわかっている」と言われそうだが、
この「必要条件・十分条件」は物事を整理して考えるときに有効だ。

受験生はそれぞれの「合格」という目標の下、日々を過ごす。
「合格」が「何か」のために「必要」だという判断で過ごす生徒も、
そうでない生徒も、受験生として過ごす。
「何か」のために「必要だ」という判断で過ごすことが
「合格」のための十分条件ではないことは明らかだし、
その「何か」のために「必要だ」という判断で過ごすこと自体が、
合格のための「必要条件」であるともいえない。

「何のために、なぜ、受験勉強しているのだろう?」

最後の追い込みをかけている受験生たちにとって、
その受験勉強は何のための何条件なのか?
受験勉強を通して何を得るのか?
志望校合格にとどまらない、
これからの「長い人生の何か」のためのいかなる条件なのか?

漫画「君たちはどう生きるか」(原作:吉野源三郎)が大変よく読まれている。
「コペル君」と「叔父さん」、二人の間で交わされるお話は「考えるヒント」を多く与えてくれる。
未来への「十分条件」は必ずやってくる未来であって、
それとは別の、
未来への「必要条件」をかなえていく、
そういう生き方の「何のための必要条件なのか」
それを考えるきっかけにもなりうる一冊である。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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