2024年7月号 | 創明館便り

 小学低学年の頃の学校生活は、周りの雰囲気に圧倒され、
自信が持てなかった自分らしく、つらかった思い出が多い。
中でも極めつけは、小学2年生の時、授業中にお漏らしをしたことだ。
熱心に話をする先生に対して、手を挙げまたは声を上げ
「トイレに行きたい」という意思表示をすることができなかった。
ことのその瞬間、周りの子が声を上げ、
先生には「どうして言わなかったんだ」と言われ、
教室を飛び出した。
モップで床を拭く先生、同級生の姿が今でも脳裏に残っているが、
その後どうなったのか記憶にない。
翌日の登校の気の重かったことは覚えている。
 算数の九九の勉強をしているとき、
全員に順番に九九を唱えさせられたのだが、
いつもドキドキ、なかなか覚えられない自分に焦っていた。
「どうして、みんなはすらすら言えるんだろう」。
体育でチーム戦となると、チームに貢献できない自分は、
チームのメンバーの醸し出すその空気が嫌だった。
背が一番小さく、運動会の演技の行進で先頭を歩くのだが、
コースを覚えきれない自分に、ハンドスピーカーで、
名前を呼ぶ先生の声におびえた。
思い出すと嫌な思い出ばかりが浮かぶ、低学年の頃の学校生活だった。
 5年生の時に転居とともに転校し、新たな学校での生活を始めた。
転入直後同級生から思わぬ挨拶(仕打ち)を受けて驚いたが、
いつしか自分を肯定できるようになっていた。
劣等意識はいつのまにか消えていた。
ちょっとした、自己肯定感の持てる瞬間の積み重ねがあったのだろうと思う。
大人にとってはほんの小さなささいなことであっても、
子供の受け止め方は大変大きい。
自己肯定にしろ、自己否定にしろ、
周りの接し方の影響を子供は大きく受けて育つ。
自己肯定感、一番大切なことに思う。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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