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2017年7月号 | 創明館便り

高校に入って最初の夏休み、「地学」の自由研究課題として星座の写真撮影をすることにした。
父親の一眼レフカメラを借り、
高感度のフイルムと「レリーズ」と呼ばれる道具を購入してシャッター開放で、
狙う星座の方向にカメラを固定していざ撮影。
この撮影、なかなか難儀なもので、
まずは自宅の屋根の上に昇るところから始まり、
星座早見盤を片手に、瓦屋根の斜面を恐る恐るの移動である。
狙う星座をレンズがすっかり捉えているかどうか、
デジカメのように、撮った写真をその場で確認できないから、
撮り直しでフイルムを無駄にしたくないから、当然慎重に慎重に撮影をする。
三脚なしで苦心して撮影したその写真、カメラ屋さんに「星を撮った」と、その旨伝え、
現像、紙焼きを依頼した。

 プリントされたその写真、一見すると白いものが散在しているだけで慌てたが、
よくよく見てその「できばえ」に私はたいそう感動した。
W型のカシオペア、ひしゃく型の北斗七星(おおぐま座)といったおなじみの星座も
夏の星座の代表格「夏の大三角」を形作る、
ベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)を抱く3星座もしっかりとその形で撮れていた。
確認してたいそう嬉しかった。
嬉しくって、写真にパラフィン紙をかぶせて、
丁寧に星座がわかりやすいように星と星を線で結んで、いいものができたと満足気に新学期提出。
自分が感動したものだから、きっと先生も感動して、良い評価が得られるものと思った。
でも、実際は違った。

しばしの落胆。
今にして思えば当然なことであって、
「地学」という教科学習の中での「研究課題」としてのテーマにそぐわなかったということだ。
私の抱いた感動は課題のテーマにはなりえなかった。
「レポート」と称して「感想文」を提出したようなものだったのかもしれない。

 高校1年生、まだまだ決して高校生活に慣れていない時期。
クラスの中、学校の中に日々存在していた自分だが、
その高校生活を決して楽しんでいるとは言えなかったその一学期。
そんな時期だから記憶に残る思い出は少ない。
今でもはっきり残る学校の思い出が、この研究課題である。
自分の感じた「感動」への共感を期待し、
それを得られなかったことが今になっても思い出されるという事実は、
いろいろと考えさせられることである。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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