学生時代のことを思い出すことが多くなったような気がする。
仕事柄、同世代の子たちと日々接する日常から、
当時の自分を思い出し、客観視しやすいのかなとの思いもある。
高校時代の体育の授業で、唯一楽しい思い出が残っているのは「ラグビー」である。
生まれて初めて、異様な形のつかみにくいボールに触れた。
前にパスしてはいけない、キックも禁止だ、
そんなルールのもと、ボールを敵陣奥まで運ぶという、試合形式の授業が続いた。
パスしてもパスしても一向に敵陣に進まないその歯がゆさの中、
皆が必死にボールを取り合った。
「今日は、体育がある。」「この授業が終わればラグビーだ。」
そんな思いだった。
思いっきり素になって、心を開放していた。
自らに課してしまった姿から解放の時だったのかも、と思う。
高校生活は楽しくなかった。
中学時代の自分の校内での予期せぬ役割に疲れていた自分は、
高校ではその対極で過ごそうと思っていた。
勉強そこそこ、部活そつなく、そんな高校生活だった。
でも、高校時代はとても有意義で大切な時だった。
16才になってすぐに自動二輪の免許をとり、
朝バイトで貯めたお金で買った中古400CCオフロードバイク。
近くの山林で遊んだり、ツーリングしたり、
こっそり通学したり等々、その思い出は尽きない。
校内生活に息が詰まってた自分を解放してくれていた校外での過ごし方だった。
夢中になれるものがあった、それが良かった。
ラグビーワールドカップを見て、高校時代を思い出している。
2023年10月号 | 創明館便り
