2025 春の講習会

2025年3月号 | 創明館便り

「過去問」といえば「赤本」。
大変おなじみの「教学社」発行の「大学入試シリーズ」だ。
志望大学の赤本が置かれた机で勉強し、
勉強に疲れては、巻頭書かれた、熟知の大学情報を繰り返し見つめた。
「入学する」その思いでの勉強は苦でなかった。
この赤本の冒頭「はしがき」には、編者から受験生へのメッセージが書かれている。
2016年のシリーズ「はしがき」にはこんなことが書かれている。
『……各大学の出題の傾向には、ある意味で、各大学の校風や
「どのような学生を求めているか」というポリシーが表れているとも言える。
英語や国語の読解問題の課題文を通して、
あることに興味を持ったり深く考えたりすることもある。
また、難しい数学の問題に自力で取り組んで、
答えの道筋がひらめいたときの感動は、何ものにも代えがたい。
……じっくりと問題と格闘することを通して、
身につくもの、得られるものも多いのではないだろうか。…』
 入学試験で要求される膨大な学習単元、項目の中から、
志望校の求めている学生生徒となるべく、
受験生にとって「入試過去問学習」は必須である。
ところがである。
これが、学校の定期考査の過去問となると、話は全く異なってくる。
 創明館は、学校の「実際の定期考査の過去問配布」または
「一部手を加えた対策プリントなるものの配布」とは全くの無縁で運営されている。
私が塾を始めたころの塾人には同じような考えが主としてあった。
ところが、数十年前、巷で「過去問塾」ということばが聞かれ始め、
「創明館では、学校の過去問を配布しませんが…」などと
塾説明でしなくてはいけない時もあった。
今でも続く、「〇〇中学校の過去問」を集客のうたい文句にしているという業界の現実がある。
塾と学校を対峙の存在と化してしまう弊害と、
その狭間にある子供たちに伝えるべきことは何なのか、
そういう視点を考えられる塾が増えていってほしい。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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