2018年3月号 | 創明館便り

オリンピックが終わった。
私のような競技素人はそのレベル難易度を知る訳ではないから、
解説者の話、スコア、タイム、順位で競技のレベルの高さを推測するだけである。
そんな素人観戦者である私は、「メダルを取ったからすごいのだ」という、
浅薄な、でも素直な感想を抱く中で、
ある「メダリスト」のことばを大変印象深く心に残るものとして聞いた。
「ジャンプを失敗してからの次のながれの練習をしていた。」という、
フィギュアスケート選手のことばである。
「失敗の練習もしていた」その事実に驚かされ、感心させられた。
「失敗しないように、繰り返し練習する」のは大変良くわかること。
誰もが「失敗しないための練習」を心がけているに違いない、と思っていたから、
「失敗を前提にその後の部分の練習をしていた」ということに心動かされた。

2011年の大震災の後、「想定外」ということばが注目された。
「人知の及ばなかったこと」へのことばであった。
この選手は「失敗を想定外から想定内にしておくこと」で、
大きな心の余裕を得ていたに違いない。
彼の話しぶりやことばはそれを実証していたし、
何より失敗の後の演技を見れば、瞭然であった。

このことを都立高校入試直前の受験生に話してみた。
1日5教科その連続する入試科目に予期せぬ事態は往々にして起こるもの。
そんな中で、「失敗を引きずらない」これが何よりも必要なこと。
「気持ちの切り替え」は、入試本番メンタルでの強さに必要不可欠。
そんなことを話すきっかけとなったオリンピックでもあった。

今日3月1日は、都立高校一般入試合格発表日。
わずか2名の一般受験生であったが、
両君とも志望の高校への進学を果たすことになった。
良かった。安堵のひとときである。

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この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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