2011年10月号 | 創明館便り

塾のスタッフが韓国の旅行のお土産を持ってきてくれました。
パッケージに書いてあるのは当然「ハングル文字」。
アルファベット使用の言語なら何とか読めても「ハングル文字」は全く読めない。
読めないこれらの文字を覚えることができるだろうか?と自問し、
「読めないものは覚えられない」という当然の結論を得る。

人間の脳は文字を文字のまま理解することはできないそうで、
すべて文字を音に変えて、頭の中で響くその音でその文字と意味を理解するとのことである。
本を黙読しながらであっても、読んでいるときには頭の中で音が響いていることを誰もが感じることだと思う。
そしてその音を言語として理解しているのである。
だから、文字を覚えるにはまずもって「読めるようにする」ことが必要なのである。

「ひらがな、カタカナ、漢字」と多くの文字を使って日本語は表記されるが、
これらの文字はすべて、まず、「読むこと」から学習する。
読めるようになって次に「書くこと」「意味を理解すること」と進む。
しっかり読めるようになってこそ、記憶・理解ができるのだから「音読」がとても大切であることが理解できる。
小学校で「音読指導」が徹底されたり、宿題にされるのも音読の大切さゆえであり、
「九九」も音読ができるからこそのものである。

中学校に入って「文字言語としての英語」を深く学ぶようになる。
ローマ字としてアルファベットに慣れていても、英語とローマ字の音は異なる。
だから英単語を覚えるにはまずその「読み方」をしっかりと覚えることが必要だ。
単語に限らず、英語をその文字言語として理解する前に音声言語として英語をとらえ、習得していくことが大切だ。
つまり「英語を習得するには音読がとても大切だ」ということだ。

『読書百遍意[=義]自ずから通ず『=見(あらわ)る』という言葉があるが、
難解な文も意味がわからずであっても繰り返し読み続けることで、その意味がわかっていくという意味である。
ただ音読を繰り返すということが、脳に知識・理解を促す面があるということを知ることは有用である。
脳には音声言語を理解する、理解していこうとする本能が存在するが、
文字言語を理解していこうとする本能は存在しない。
人間は、聞いた言葉を本能として理解しようとするが、眼で見る文字はそうはいかないということだ。

「音読の大切さ、必要性を知れば言語(英語)は格段と上達する」ということを知ってもらえればと思う。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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