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2011年9月号 | 創明館便り

「日本一高い山は?」と問われて答えられない生徒はいないと思います。
では「日本で二番目に高い山は?」と問われて答えられる生徒もいないのではと思います。
山にとても興味があって山好きな生徒でもない限り、日本で2番目に高い山「北岳(3193m)」のことは知らないでしょう。
「北岳」は山梨県と長野県の県境をなす南アルプス(赤石山脈)の北部山梨県側にあります。
この北岳にこの夏休み登ってきました。

 600m程富士山より低い山ですが3000mを越える高さの山ですから「高山病(低酸素症)」になる危険性が出てくる山です。
「高山病」とは、高地ゆえ酸素が薄く体内の酸素が欠乏して、
頭痛・吐き気などの症状を示す高地ならではの病で、ふもとに降りてくれば症状はとたんに良くなります。
高所登山では登山者はこの高山病対策をしつつ山に登っていきます。
具体的には「ともかくゆっくり登る、登り続ける」ということです。
ゆっくり登ることで、全身のすべての細胞が少しづつ起こっている酸素の欠乏状態に慣れていき、
人間の生命活動に支障をもたらすことを避けることができるのです。

今回、3000mを越える山の稜線歩きをしながら、「高所順応」と呼ばれる高山病対策について考えてみました。
「ゆっくり登る、登り続ける」とは結局、体の動きの変化を極力少なくしているということです。
「駆け足で登る」とか「大またで登る」とか「座り込んで休む」とかいった動きは体の動きの変化を大きくします。
そしてこういった動きの変化がとたんに体の細胞の一部に酸素が行き渡らなくさせて、頭痛等の症状をもたらします。
登山中、大きな岩をまたぐ必要から体の大きな動きをさせると、とたんに息があがります。
これは、このときの脚の動きの大きさが多くの酸素を要求してその結果、
体の他の部分で酸素が欠乏して、その欠乏状態が多くの酸素の急激な補給を要求するから起こるのでしょう。

「歩き疲れたら休む」のは当然ですが、休むときも大きな体の動きはかえって疲れを生んだりします。
ですから「ザックを下ろして座り込んで」という休みより
「立ったままザックを背負ったまま休む」方が疲れなかったりしますし、
高所ではザックを背負う動作でさえ息があがる要因になったりします。

生物の進化が環境に順応して起こってきたように、
「人間の体」もたとえわずかな時間であってもその環境に適した体を作り上げていこうとしているわけで、
つまり、高所ではその高所に適応する体を作ろうとしているわけです。
そしてそれは、ゆっくり行われていくのでその順応を壊す動きに対して不適応を示すのです。

「継続は力なり」という言葉を耳にすることは多いでしょう。
継続することがもたらす効用の大きさを述べた言葉ですが、
私はこの言葉に「ゆっくり」という言葉を重ねたいと思います。
「ゆっくり継続は力なり、ゆっくり継続は頂なり」

急いで登れば高山病になって山頂登頂を断念しなくてはいけません。
大きく休んでしまうと動き出しの動作が高山病をもたらしかねません。
ゆっくりゆっくり一歩一歩踏み重ねていくと高山病になることもなく、
山頂での至福の瞬間を得ることができます。
受験生は受験勉強に当てはめて考えてみてはどうでしょう。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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