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2021年10月号 | 創明館便り

シュンペイがやって来た。
20代後半、現在都立の中学校で数学教師として
教鞭をとっている卒業生だ。
「あのシュンペイがですよ、結婚ですよ。
信じられますか。」などと照れ隠ししつつ
プロポーズのシチュエーションの思案を
楽しそうに話してくれた。
学校に登校したら、職員室の机ではなく
まずピアノの前に座り、練習をしているとのこと。
なぜピアノ、そのモチベーションはどこから?と問うたら
「彼女の好きな曲をサプライズで弾く」
ということだった。
 そんなシュンペイが急に思いつめた様子で
前任校で一番気にかけていた生徒が
一週間前に事故で亡くなったことを話し出した。
シュンペイは支援学級の先生というよりは
週一回通級してくるその生徒の
兄貴的な相談遊び相手だったようだ。
「きついなー」と、彼の口から洩れる言葉。
「あいつから教えてもらったことを
いまみている子供たちに生かしていかなくては」
と自身に言い聞かせるシュンペイ。
 シュンペイ自身、教員になるか民間の会社員になるか
そんなことを悩んでいた時期もあったが
「先生になってよかったなー。」
と、私は思う。
「ちょっと心が滅入っていたので
思い出のある場所に来てみたかった」
そんな言葉をもらって
私自身が心の糧を得られた再会だった。
「彼女を連れてきます」「待ってるよ」
 またの再会が楽しみだ。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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