「漫画がおいてある塾なのよ」と、
あるお母さんが創明館を紹介していただいた事がある。
創明館のスタイルに共感していただいたお母さんの口コミであった。
今から15年位前のことかと思う。
当時は、手塚治虫作品ばかりだったように思うが、当時の塾生(中学生)の中で、
「>ブッダ」「火の鳥」「アドルフに告ぐ」等々を休み時間、授業前後に読み耽る生徒たちがいた。
後に塾での思い出として、
まず最初に「〇〇を読んでばかりいた」という思い出が生徒の口から出たときには、
ちょっと複雑な気持ちであったが、うれしかった。
塾に漫画は似つかわしくない、そんな時代が続いていた。
「得点を得るための技能を習得させる」そのことに重きを置きすぎる時代で、
「教えすぎる」「教え込む」授業が、「得点につながる授業」として評価される業界だった。
昨今の、「自立学習」や「アクテイブラーニング」ということばとは無縁な授業形態が
当時の一般的な塾のスタイルだった。「
塾に漫画」は意外なことのようだった。
10年前に「ロボット教室」、4年前に「ことばの学校」という
教科学習と異なる教室の運営を始めた。
どちらも「学ぶ力」をつけていくということが理念の教室である。
両教室の子どもたちのその多くが小学生で、生徒の増加に合わせて、
低学年の子どもたちでも読める漫画を備え、増やしてきた。
「漫画から得られる語彙」は、
「そのことばが使われる状況も踏まえて学習できる」わかりやすい貴重な語彙である。
自身や息子の子供時代を思い返すに、
漫画から大変多くのことを学んだように思う。
歴代多くの子供と触れ合ってきて、「漫画は学習能力を高める」ようにも感じている。
スマホの画面に見入る人々が急増する環境の中で、
子どもたちのスマホ依存が着実に急速に進行している。
「絵本」より「YouTube」を見て育つ幼児たち。
いつでもどこでも見られる便利さ、快適さ。
「いつでも、どこでも得られる快適さ」に慣れてしまうことで、
「漫画や本を読むことの更には学ぶことの不便さ」が意識付けられてしまうのだろう。
そして「安易な便利さ」が多くの状況で、
考える力を育てる機会を失わせていってしまうのだろう。
15年前には思いもしなかった「漫画の新たな効用」を考えさせられる昨今である。
逆らえがたい時流のなかで、
「漫画を読む」ことで得られる「知的な面白さ」を感じる子供が育ってもらいたいと思う。