けんや君との出合いは2009年10月のことだった。
当時小学2年生で「ロボット教室第一期生」として在籍してもらった。
その後、私立中学受験のサポートをさせてもらい、
久しぶりに道で出会ったときに
「基盤を作ってます」などと話していたことが印象に残っていた。
そんな彼と,受験まで10か月余りの高校2年生の3月に再会した。
「やっぱり理系かなと思った。」
「哲学の勉強をしたくて文系に進んだけれども」
と話は続いた。
「数学Ⅲを教えてほしい」
「理科は自分で勉強できます」。
けんや君のもつ高い集中力、学習能力は中学受験指導の時実感していた。
その記憶に間違いはないはず。
真剣に考えたうえでの大きな彼の決断。
「とても大変なことをしようとしている」
と念を押しつつも、
自身内心「この子ならできる」という思いがあった。
「自学」ができることは本当に大きな財産。
その財産を持ち得ている彼は
自分の進路のその選択の幅を広げ、
大きな選択の転換をなしえた。
塾が育てなくてはいけないのは、
けんや君のように「自学」ができる人間である。
「目に見える得点・順位・合否」というものよりも、
もっと大きな一生の財産をつかませることができれば、
塾人として大変幸せなことに思う。