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2010年8月号 | 創明館便り

「夏が来れば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空♪」で始まる、
唱歌「夏の思い出」で紹介される尾瀬を先日歩いてきました。
自身四回目となる尾瀬歩きでしたが、歌詞のように尾瀬の光景は、
時が経っても思い浮かんでくる強烈な印象を与えてくれます。
水芭蕉で有名な尾瀬ヶ原湿原ですが、やはり尾瀬の魅力は、
至仏山(しぶつさん)と燧ケ岳(ひうちがたけ)その両峰に抱かれた広大な湿原と沼の広がりにあると思います。
人の手の入らないその湿原に、雪解けの水に抱かれた自然の営みの姿をこの夏のわずかな間に見ることができます。

子供の頃の夏休みの思い出といえば、
「蝉取り、トンボ取り」といった昆虫を追いかけた思い出がまず浮かびます。
夏休みになると、家の近くの林や池に網を持って毎日のように出かけていました。
大きなトンボといってもせいぜいギンヤンマで憧れのオニヤンマには出くわすことはなかったのでしたが、
ギンヤンマに出くわしたりしたら興奮して、時の経つのを忘れて夢中になって追いかけていました。
私の育った郷里は、田んぼ、畑、池、川、林、といった自然の姿、動植物を多くみることができる環境でした。
今では、自然の中での自分を味わうために、車に乗って時間とお金をかけていくという生活をしていますが、
子供の頃の自然が日常であった原体験というものは私を強く誘います。
私が山歩き、ハイキングに心惹かれるのは自身の原体験にあると確信しています。

世の中は便利になっています。確かに便利になっています。
人々の便利さ・快適さを求める欲求が、人々を便利にさせる活動を肯定し、
その活動に価値を見出しそこにお金を投じるという行動に支えられて、
きっとますます便利な世の中になっていくのでしょう。
世の中の人々の暮らし方はどんどん変わっていく、いかざるを得ないのでしょう。
そんな中で、自然の営みはその対価を求めない自然な姿で存在し続けます。
尾瀬ヶ原の木道から遠く離れた湿原に咲くニッコウキスゲの花を遠く見て、
木道近くのキスゲに感じ得ない思いを抱くこと、これが尾瀬の魅力であることも違いありません。
「自然を味わう夏休みを」と思います。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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