「蛍の光 窓の雪 書(ふみ)読む月日 重ねつつ …」と始まる唱歌「蛍の光」、
昔は卒業式には必ず歌われたこの歌の冒頭、「蛍の光 窓の雪 書読む月日」とは苦労して勉学に励む姿を歌っている。
貧しさから書を読む灯りが得られなくて、蛍を集めてその灯りで、
また窓に雪を積み重ねてその灯りで書を読んだという中国の故事「蛍雪」に由来する。
そんな「蛍雪」という語を用いた雑誌「蛍雪時代」に私自身が大学受験生であったころ大変お世話になった。
自分の進路選択をするにあたり、そしてまた大学の種々の情報を得るにあたり、何度も見開いた雑誌であった。
「蛍雪時代」は1932年(昭和7年)その前身「受験旬報」が「旺文社」から発刊され、
現在に至るまで80年間の歴史を誇る大学受験生向けの雑誌である。
ここで「旺文社」の創業者である赤尾好夫氏の受験生向けのメッセージの一つである「勉強十戒」を以下紹介する。
受験の追い込み期、受験生にとって貴重な指針を与えてくれる言葉である。
勉 強 十 戒 (赤尾 好夫 作)
一 学習の計画を立てよう
計画のないところに成功はない
二 精神を集中しよう
集中の度合いが理解の度合いである
三 ムダをはぶこう
戦略の第一は時間の配分にある
四 勉強法を工夫しよう
工夫なき勉強に能率の向上はない
五 自己のペースを守ろう
他を見ればスピードはおちる
六 断じて中途でやめるな
中途はゼロである
七 成功者の言に耳を傾けよう
暗夜を照らす灯りだ
八 現状に対し臆病になるな
逃避は敗北である
九 失敗を謙虚に反省しよう
向上へのクッションがそこにある
十 大胆にして細心であれ
小心と粗放に勝利はない