2012年5月号 | 創明館便り

効果的な勉強というのはどのような勉強法なのでしょうか?

机に長い時間向かい合って効果の出ない勉強より、
短時間で効果の出る勉強法のほうがよいことは誰しも思うことです。
よく言われる「一日○○時間勉強しなさい。」という言葉も実は、
時間より中身が大切なことは分かっているけれど、
その中身の濃さ加減を周りが判断するのが難しいから、
「これぐらいやっていればそこそこ問題ないだろう」という判断で発しているもので、
実際は「勉強時間」という尺度だけで学習効果を判断することはできません。

勉強による学習効果は、まず「集中力×勉強時間」によって決まります。
集中力と勉強時間のかけ算ですから、当然一方が0であれば、学習効果は0です。
たとえば、漢字を覚える、英単語を覚えるという作業を、
機械的に繰り返し○○回練習しても覚えることはできないわけで、
くり返しの練習の中には、覚えようという意志つまり精神の集中が要求されるわけです。
集中力がない状態での作業は、学習の見せかけであって、時間の無駄であって、効果はきわめて低い作業です。

では、集中して勉強しさえすれば、学力はどんどんと伸びていくのでしょうか。
そうはいかないですね。
いくら勉強を集中して行ったとしても学習成果は、各自まちまちで人によって大きく差が出ます。

幼い子どものころ、誰しもクレヨン・色鉛筆などで塗り絵をして楽しんだ記憶があると思います。
私も幼少期のころ、白い紙の上に描かれた線の内側、外側と塗り分けていって、
きれいな絵ができる喜びを感じていました。
塗り絵の作業では、ジグソーパズルを組み立てるのと同様に、同じところの作業は行いません。
どんな色に塗るのか決めたら、ひとたび塗ってそこのエリアは完了です。
同じところをくり返し塗り重ねることはしません。

学習も同じように「無駄なくり返しはしない」ことが大切です。
数学の問題集を進めるときのコツは、できる問題のくり返しで時間を消費しないということです。
できる問題は正解が得られますから、嬉しいですし満足も得られます。
できない問題は、じっと考えるという労力を必要としますから避けたくなるのが普通です。
だからといって、できない問題を置き去りにして、
できる問題ばかりを繰り返しても、学力は伸びませんし、
空白の埋まらない塗り絵作業と同じです。

 「解けなかったこと、理解できなかったことの理解と解法の習得」これこそ学習であって、
この積み重ねの上に学力が培われていきます。
できなかったこと、間違えたことを見つめるためには、確かにエネルギーがいることです。
ですが、このエネルギーをしっかりと発揮していける勉強が、大変学習効果の高い勉強といえ、
その成果に満足できる勉強になります。

創明館便り
この記事を書いた人
創明館 吉田

塾代表 吉田聡彦 : 練馬区高松(光が丘・夏の雲公園前)にある小学生・中学生・高校生向けのグループ/個人の学習塾を運営しています。
塾運営での想い、感じたこと、発信したいことなどを更新しています。

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